吾唯知足

令和2年師走12日 大安

うつはには したがひながら いはがねも とほすは水の ちからなりけり

仕事

今の仕事がつらい。 やっているのは得意先から届く注文書のファックスを自社のデータベースに入力するだけの仕事だ。 誰でもできる仕事であり、近い将来自動化されるだろう。その一方でファックスの様式が得意先毎に異なり、入力時にはその注文書に明記されていないことも考慮しなければいけない。 日本企業の生産性が低い原因をまじまじと見せられている。 このような業務なので、入力作業自体は1日もかからずに覚えられる一方、得意先毎の細かい違いを覚えるのに何年もかかるだろう。 日に日にこの業務に慣れ、入力は速くなっているが、自分が成長しているようには感じない。この会社のこの業務という非常に限定的な分野でしか使えない技術だけがついていくからである。こんなことでは転職しようにもよその会社で使える技術が何もないので、新卒と同じ土俵にたたなければいけなくなる。採用する側もそんな人材に興味はないだろう。

成長したい。 成長とはなんだろう。 多分生きていく上で使える技術を身に付けることである。 生きていく上で使える技術とはなんだろう。究極的には畑で作物を育てる技術だと思うが、そんな世紀末のことはまだ考えなくてもいいかもしれない。 汎用性のある人間になればいいのだろうか。 そうすれば何でもできて食いっぱぐれない。 しかしその「何でも」の中に今の仕事は含まれていない。 成長が感じられない単純な作業はストレスで死んでしまう。 つまりなんでもできるの中には成長しない仕事は含まれない。

なぜ今の会社にいるのか。 それは実家に帰るためである。 実家で工場を経営しているのでそこを嗣ごうと考えた。 そのために同業大手に就職し技術を持ってかえるように父に言われた。 ところがいざ就職してみると、僕が考えていた技術が一向に学べていない。 その一方で今学んでいることは父が持って帰ってほしい技術であるようだ。父は工場で必要な細かい技術や知識を持って帰ってほしいらしい。 僕はそんなものはほしいとは思わない。この業界に特化しても生き残れないと考えるからだ。もちろん業界に特化した人材も必要なのかもしれないが、それはあなたの長男ではないのではないだろうか。長女でも次男でもなさそうだし。

今のところだからどうしたいと言うまとまった考えがあるわけではないが、少なくとも自分の学ぶべき場所はここではないと感じている。心身に無理が生じているのを感じるからだ。 業界の知識を短期間で軽くさらって、そのあとは別の世界を見てみたい。どこかに成長を実感できる世界がないものか。